…かっこよかった、けど…緊張した。

気を取り直して私は感覚がなくなるまで顔を洗った。
…ちょっと洗いすぎて寒くなったけど気にしない。

海音と話しにくい…けど、私は意を決してドアを開けた。

「…大丈夫か?」

ソファーに座って缶コーヒーを飲んでいた海音に尋ねられ、私は短く「うん」だけ言って隣に腰掛けた。

「……」

「……」

「……」

「……」

しばらく無言が続く。
私も海音も言葉を話さず、お互い無言で前を向いている。

…話すことが無いんじゃなくて話しづらい。
さっき、あんなことがあったし…。