洗面所へ続くドアを開けると、目の前には男性の裸体。
…下は履いてたから問題なかったけど。
程よく筋肉がついていて、不覚にも抱き着きたくなったけど…頭上から水滴らしきものが降ってくる。
恐る恐る見上げると、ビックリしたような顔をしている海音と目が合った。
首にタオルをかけて、髪をタオルで掻き上げる瞬間にドキッとした。
…ヤバイ、目が合ってる。
「う、羽音?なにしてんの?」
「…ちょっと、顔を洗いたくて…」
「そ、そうなんか。俺は出るわ」
そう言って洗面所から出ていった海音だったけど私は顔を洗うどころの騒ぎじゃなくなった。
その場にへなへなと座り込んで顔を手で覆って深呼吸するばかり。