少し落ち着きたくて膝を抱えて顔を埋めて時間が経つのを待った。
何分そうしていたか分からないけど、ふと、頭上から優しい声が聞こえてきた。

「羽音、ご飯やで」

ゆっくり頭を上げると、優しく微笑む海音がそこにいた。

「…ん」

「大丈夫なんか?」

「うん、大丈夫」

海音が来てくれたから、なんて言ってあげないけどね。
…だって私、そんなキャラじゃないもん。

「ほな行こか」

さりげなく手を繋いでくる。
ここ…海音の家なんだよ?
誰かに見られたりしたらどうするの?!

お母さんとか、私と付き合ってること知ってるの?!

など、色々な疑問が浮かんでくる。