気安く名前、呼ばないでほしい。
今度会う日が来たら言おう。

「邪魔者おらんなったことやし飯食おうや」

「そうだな」

「羽音?大丈夫?よしよし」

綾芽は私を抱き締めて頭を撫でてくる。

「綾芽?大丈夫だから、食べよう?」

「らじゃ」

綾芽にも意外と可愛い一面があると言う事実を知った。
心配性?過保護みたいな感じ。

お姉さんって言葉が似合う女の子。

私と綾芽はお弁当なのに対して蒼空は購買で買ったパン、海音は缶コーヒーだけ持っていた。

「海音それだけで足りるの?」

「俺、朝昼食えへんねん。晩飯だけで充分足りるわ」

だから細いのか。
海音の体型は太くもなく、そこまで細い訳じゃないけど蒼空と比べれば細い方だ。

多分つくべきところに筋肉等はついていると思うけど。

「食べないと倒れるよ」

「そんなん言われても…食われへんねん」

うーん、それなら仕方ないのか。