「なあ、羽音」
「ん…っ?!」
名前を呼ばれ振り向いた瞬間、唇に柔らかい感触。
…不意打ちだった。
息つく間もなく私は本日何度目かのキスをされていた。
最初は恥ずかしかったけど今は周りに誰もいなくて、緊張も恥ずかしさも引いてる気がした。
「ちょ…っん…」
…そう思ったのもつかの間。
思った以上に長かったそのキスに、酸素を求めて小さく口を開けたら、待ってましたと言わんばかりに海音の舌が私の口内に滑り込んできた。
こんなキス、知らない…。
いくら舌だけでも逃げようとしても海音の舌が私の舌を絡めとる。
頭がクラクラする…身体も熱い…。
