「もう7時過ぎやん」

海音がスマホを取り出して小さく呟いた。
もう、7時過ぎなんだ…早い。

「どっかで食ってから帰るか~?」

「うん、そうだね」

そう言えばこの近くに美味しいレストランがあるらしい。
海音にそのことを伝えると、喜んでOKしてくれた。

レストランもか行ってもあんまり食べないんだけど…大丈夫かな。

「…ん?」

私は、海音と手を繋いだまま、路上にあるお店の前で立ち止まった。
お店と言っても小さな屋根のないお店。

そこには可愛らしいイヤホンジャックが売っていた。

今日は海音と初デートしたわけだから…こういうの、プレゼントしたいよね。

「ちょっと待ってて」

それだけ言って私は手を離し、そのお店を見る。
熊や猫、カエルにアヒル…ハートにクローバーなど、可愛いイヤホンジャックがたくさんあった。