明海さんは自己紹介しながら私に抱きついてくる。
な、何気に苦しい…。

「明海、羽音が苦しがっとる」

「羽音ちゃんって言うの?この子」

「あっ…。藍咲 羽音です」

「藍咲?…慎さんの、子供さん?」

―ドクッ

心臓が、鳴った気がした。
何で…明海さんがお父さんのこと…?

「ど、して…」

「ああ…あたしレディースなの。昔に律とよく居たんだけどね!!慎さん、よくイライラしててその原因が娘さんだったらしくて…」

ああ…そういうこと、か。
りっちゃん先生も前に言ってたもんね。

…律と?

「あの、律とって…?」

「羽音、俺らの担任やん」

ですよね。
人ってこんなに変わるんだね。

勉強になりました。
明海さんもレディースだったなんて…人生ってどうなるか分かったものじゃないね。