向かう途中、何度も何度も色んな人に見られて私は少しだけ複雑な気分になった。
やっぱりモテるんだよね、海音…。
みんな海音の顔みて「あの人カッコいい! 」とか言ってるし。
私のことを妹なんて言う人も多いし。
妹なんかじゃないのに…ちゃんとした彼女なのにー…。
「何いじけてんねん?」
「…別に、いじけてなんかないよ」
「あー、なるほどな。羽音、ちょいと目ぇ瞑ってみ?」
「どうして?」
「ええからええから」
「…う、うん?」
言われた通りに目を閉じる。
てか、何が なるほどな なの?
意味が分からない。
大体、いつも突破的だし、何考えてるか分からないし…馬鹿だし…それ……ん?
んん?
まさか、まさか…まさか…!!