―チュッ

一瞬、触れるだけのキスをして私は歩き出す。
これでも、頑張った方なんだから。

「ちょ、待ってや!!」

慌ててついてくる海音をよそに私を足早に教室へ戻る。

だって、今、絶対顔とか赤いし見られたくない。
馬鹿にされる事はないと思うけど…恥ずかしいでしょ?

自分からキスしといて今更とか思ったけど、恥ずかしいものは恥ずかしいらしくて。

「羽音、好きやで」

「うん、私も好きだよ」









これだけでも幸せだったりする。
海音には言ってあげないけどね。