…朝のサボった時の話?
聞いてた、の?しかも、見られてた。
それでも、私は普通に喋ってただけだ。

「それが何?普通に喋ってただけじゃん」

「…ふーん?そこまで否定するなら私も容赦しないからねっ?」

「好きにすれば?」

「海くんは私のものだから。さっ、かーえろ!!また明日ね、羽音ちゃん!!」

最後の方は、朝みたいな可愛らしい声色で満面の笑みを浮かべて私に手を振って帰っていった。

教室の外から「海くん!帰ろ?」って甘い声が聞こえてきてから、人の気配はなくなった。

きっと二人は一緒に帰ったんだ。
付き合ってるなら…当たり前だよね。