そのあとの授業は全く耳に入らずに、放課後を迎えた。
お昼も食べなかった…って言うか、入らなかった。
満腹じゃないけど、食欲がなくてお茶だけ飲んでおいた。
皆が帰った教室。
私と芽生ちゃんしか居ない教室は、やけに静かで違う意味で少しだけ怖く感じた。
りっちゃん先生の殺気は怖くないのに今の方が怖いっておかしいよね。
「…ねぇ、羽音ちゃん」
朝よりも1トーン低い声で話す芽生ちゃんに私の体はビクッと震えた。
…声が、態度が、朝よりも全然違う…。
まるで別人だ。
今の芽生ちゃんは可愛さの欠片なんて微塵もなくて、無表情かつ妖艶なようだ。
椅子に座って腕を組んでるだけでも色っぽいし…威圧感が半端ない。