「…何?」
「お前って転校初日から浮いてたよな」
いきなり何を言い出すかと思えば、転校初日の話ですか。
「そう?」
「ああ…無愛想で誰も近寄らせないオーラ放ってたぞ」
…周りには、そう見えていたのかな。
いや、少なくとも先生にはそんな風に見えていたんだろう。
今更何かできた訳じゃないけど。
「そうなんだ」
「それに、滅多に笑わないしな」
りっちゃん先生はよく見てるね。
伊達に教師5年やってる訳じゃなさそうだ。
見てないようでクラスの子の事を見てて頼りにもなる。
「うん、面白くもないのに笑えないし」
「高1の考えるようなことかよ」
「うーん?さあね」
「…俺さ、高校時代は普通に族とか入ってて毎日暴れまくってたぞ」
なぜ、りっちゃん先生がこんなこと言うのか分からないけど、私は驚かなかった。