芽生ちゃんの言葉で教室中の皆の会話が止まる。
そして、皆が二人を見る。

芽生ちゃんは「えへへっ」と言いながら抱きついていて海音も満更ではないような顔してた。

なんだ…彼女、出来たんじゃん。
私の中で、ふつふつと怒りが込み上げてくる。
今までの告白も、私を遊んでたんだ。

面白がってたんだ。
少しでも耳を傾けた自分が馬鹿みたい。

さっきよりも胸の痛みが強くなった気がした。
苦しくて辛くて…俯いてしまいそうになったけどこここで俯いたら負けなような気がして

私は下唇を緩く噛んで平然を装った。

「羽音…」

そんな綾芽の声さえも無視して。