「羽音が焦るなんて珍しい」

「人を化け物みたいに言わないでよ」

「いや、だって珍しいし」

そうかな?
私だって焦ったり怒ったりするはず。
人前ではあまり感情を露にしないだけ。

「そう?」

「ああ」

「篠波!!前向け!!」

「へいへい」

りっちゃん先生に怒鳴られて渋々といった様子で前を向いて頬杖をつく。

「えー、今日は転校生を紹介するぞー」

「また~?!」「転校生多いよな、ここ」と言った声があちこちから上がる。

確かに多いね。
私も転校生立場だったから…中はこんな感じだったんだね。

入った来るとき無駄に緊張しちゃったし。
女の子かな?男の子かな?

「静かにー。入ってこい」

その声と共に教室のドアが開く。
皆一斉にドアに視線をやる。




……三名を除いては。