羽音には絶対指一本触れさせへんからな。 芽生、俺は…あんたの人形ちゃう。 いつか、近々…あんたに逆らってみせる。 一生消えへん傷を付けたことは謝る。 謝っても許されへんことくらい分かっとる。 せやけど縛り付けられるんは…ごめんや。 「待っとけや、芽生。羽音」 俺は空を見上げて小さく呟いた。 空はこれからの行方のように雲っとった。 俺の心も黒く濁って沈んでった。 まるでこれから何かが起こるような、そんな気がして。