そして、何事もなく無事に入学式を終えた私達は、新しい教室に向かった。

新しい教室に入るなり、私は辺りを見渡す。
そして、
「うわぁー。知らない子ばかりだな」
そんなことを呟く。
一通り辺りを見渡した後、私はあることに気がつく。
「あれ・・・『あの人』が居ないや」
そう。『あの人』が居なかった。
だからといって、私のクラスメイトと決まったわけじゃないんだけれども。
此処に居ない、ということならきっと違うクラスなのだろう。そんな勝手な解釈をし、私は指定された自分の席に座る。
なんだろう。
さっきから、胸がもやもやする。疲れか何かが溜まったのかな・・・?



その後はクラスで簡単なHRを行い、終わったクラスから各自解散となった。



「はぁー・・・」
帰り道、大きくため息をつく。
「どうしたの?るか。何か悩み事?」
そんな私を心配してか、ヒナが私に話しかける。
「あ・・・いや、別に大丈夫だよ!疲れが溜まったのかも」
ははっ、と笑う私。
「そう?何か悩み事とかがあったら、遠慮なく言ってね」
ヒナはそう言って微笑する。
ヒナはみんなの前だと少し引っ込み思案だけど、私と二人きりになるととても明るい子になる。
親友の特権ってやつか。