中も外装同様の綺麗な状態ではなかった。



リーダー格の男が立ち止まると、仲間の男共は私と白石を囲った。



「さーて、アイツにやられた恨み、てめぇが引き受けてくれんだろうな?」
「その前にアイツってのは誰だ?本当にウチの学校の生徒なのか?」



私の問いに男は鼻で笑った。


「当たり前だ。見つけ出すのにどれだけ苦労したと思ってんだ。アイツ……白石 稔の居場所を!」
「―――………は?おい、今なんて?」
「だから白石 稔だよ。居るんだろ、てめぇの高校に。」



高校にってか、目の前に居るだろ。


私は隣の白石を見る。

白石は私の視線に気付くと肩を竦めた。

覚えがないと首を振る。



「おい、白石 稔なら今居るぞ。」
「何言ってんだ、女。どこに白石が居るって言うんだよ?」
「いや、だから目の前に。」



と、隣に立つ白石を指す。



男は声を上げて笑った。