「そんな事したらお前の本性もバラしてやるからな。」
「ああ、そっかー。それは困るかなぁ。」
なんて笑いながら言う。
コイツは本当に困ってるのか?
「――あ!山神先輩!!っと、白石先輩?珍しいですね。一緒に登校ですか?」
「越川か。白石のことは気にするな。で、どうした?」
「そうでした!実は校門前で大変なことが……」
また面倒事か……。
せっかく靴を履き替えたばかりだと言うのに。
仕方なく外履きに替え、来た道を戻る。
越川が後ろを歩くのは当然のこととして……
「何で白石まで来る?」
「興味あるから。」
「……勝手にしろ。」
首を傾げる越川を尻目に私は校門へと足早に向かう。
校門にはさっきまではなかった人だかり。
な、なんだ……?
私は人だかりからはみ出た門番当番の教師に事情を訊ねた。
「おお!山神、ちょうどいい所に来たな。俺じゃ手に負えん。ここは風紀委員長であるお前に任せた!」
「は?ちょっ……」
私の身体は教師により人だかりの中へと入れられていく。
視界が開けたとき、すでに人だかりの中心だった。