『第2章 優等生と不良』
いつもの如く、私は一人で登校する。
校門を潜った所で肩を叩かれ、振り向けば、見たくない顔が映った。
「あ、奈美さんおはよう。今日もいい天気だよね。」
あの一件以来、白石はこうして私に絡んでくるようになった。
「……ああ、おはよう。」
「あれ?なんか元気ないよ?また風邪でも引いた?」
わざとらしく心配する顔に、私はため息をつくしかない。
「……お前、何で用もないのに話しかけてくるんだ?」
「そりゃ僕と奈美さんの仲だからでしょ。」
「……仲良くなった覚えなんてない。」
相手をするだけ無駄な気がしてきた。
私はスタスタと靴箱へと向かう。
歩幅の差か白石は余裕そうに歩きながら私に追いつき、声を潜めて言う。
「そんな冷たいこと言われたら、あの写真誰かに見せるかもなぁ。」
私は動きを止めて白石を睨む。