「そのテストで、全教科80点以上取ったら…」



なかなか、集中してくれない茜ちゃん。でも、俺と同じ想いなら…この手を使わずして、何を使うんだよ?


口端を、グィッと上げて笑ってみせる。



「俺とお付き合いしてくれる?」
「………テストで80点以上……?」




「そう。俺は、茜ちゃんの成績を上げる事が、俺のお仕事。でも、茜ちゃんは俺と恋人同士になりたい」



それは、本心だけど成績を上げる事に協力したい。



成績を上げて困る人なんていないと思うから…。茜ちゃんだって、これから学んで荷物になる事もないしね。




分かってくれているか分からないから、俺は彼女の両手を自分のそれに重ねて、一つ一つ言い聞かせるように…でも、説教じみた言い方にならないように言う。







「成績を上げて、家族に俺たちの事を認めてもらいたいじゃん?」