機嫌が悪いのを見せないために、少し口調が早くなってしまう癖を抑えるように喋るのに必死だったから、もしかしたら表情に出てるのかもしれない。
「…お取り込み中ごめんね。チャイムの電池切れの上、鍵がかかってなかったから誰もいないのかと思ってたら声が聞こえてね」
落ち着け落ち着け~…落ち着けよ俺!!
困った顔をする茜ちゃんもラブリー! 何て事は絶対に、死んでも口にするなよ!!
「ご、ごめんなさい! じゃぁ授業しましょうか」
慌てて、茜ちゃんは授業を始めようとする。
他の男と付き合いたいなら俺と付き合いなさい! そう言いたかったけど、俺の仲の理性がそれを拒もうとする。
それを頭の中で繰り返していた。