彼女の家に行く時は、身だしなみや持って行く教科書、参考書をもう一度見直したりする。
前に一度、学校のダチの誰かが面白半分でエロ写真を教科書に挟んでいて、授業中に落ちた時には悲鳴を上げそうになったさ…。
その場面を茜ちゃんに見られなかった事は不幸中の幸いと思っているけど、あれから教科書とかに何か挟まれていないか厳しくチェックするようになった。
肩に乗ったカバンを背負いなおして、茜ちゃんの家の前で何度も深呼吸する。
今日は、茜ちゃんのお母さんが家にいない訳で…俺の理性をフルに活用しなきゃいけない日だ。
家の前で何度も何度も深呼吸して、チャイムを押す。
…カス…
へ…? 何だ? いつもならピンポーンって音がなるのに…。
何度もチャイムを押すけど、結果は何度も同じで鳴らない。
…電池切れか?
ドアノブを掴み、開いていないだろうと思っていたのにノブは簡単に俺を迎え入れてくれた。
おりょ…家の中から声が聞こえる…。