「ご、ごめんね? 私、学校に入ってから不安で流されるように、今のサークルに入ったんだけど…そんな時に声かけてくれた淳平の事が気になってて…」
不安って…確かに、声はかけたけど…かけた瞬間から機関銃のように喋りだしたのはお前だろーが…。
心の中で突っ込みを入れてやった今の俺って優しいのか、冷たいのか微妙な所だな…。
「…っつーか、淳平って名前で今まで言ってなかっただろ?」
そこまで言うと目の前の女は、頬をポポポッ…と可愛らしく赤く染めたけど、俺には全く可愛いと思わない。
「だ、駄目かな?」
「いいも悪いも、お前が勝手に言ったんだろう?」
あー…やばい。今から出発しないと茜ちゃん家に着くのが遅くなっちゃうよなぁ。
女の話は右耳から入ってそのまま左耳へ通過していく。
全く聞いていないみたい。どう断ろうかと頭の中で言葉が飛び交う。
「…もちろん、淳平も私と付き合ってくれるんでしょ?」
「あぁ?」
何がどうしたら、そう転がるんだよ…。
いい加減、サークル仲間だから穏便に…と思っていた俺が馬鹿だった。