俺はペーペーのカテキョだけど、教師であって。
茜ちゃんは、生徒であって。
しかも中学生だ。来年高校生になるって言ったって、まだ1年生だぞ!
誤魔化さなければ…誤魔化して、この場を切り抜けなきゃ…。
「……そんなに好きなの?」
「……ぇ?」
目を大きく見開き、顔を真っ赤にさせているのがモロに分かる。
ぅわぁ! やべぇ!! その顔そそられる!
「仕方ないなぁ…」
慌てて俺は、別のポケットからお菓子を取り出して、彼女の掌に盛る。
これしか俺には、誤魔化す事が出来なくって…。
「あんまり食べると太っちゃうから気をつけなよ? 寝る前には食べるなよ? じゃ、おやすみ」
そう言って、茜ちゃんの頭をワシャワシャと撫でて、その場を離れていった。
帰り際、チラッと茜ちゃんを見たら、目を丸めて固まったまま。
何が起きたか訳が分からないって顔をしてた。
頼むから、そんな無垢な顔で俺を見るなぁ!! 俺の邪な心がよりいっそう煽られちゃうんだからなぁ!