当たってるから何とも俺も言えない。
茜ちゃんの集中力のなさは、俺も悩んでいる。
でも、言い過ぎたかも…。唇を尖らせて少し拗ねている。
うわぁ、やっぱ可愛いよ~。
って変態になっちゃいそうだから、そこは押さえて…押さえろよ俺…。
どうにかこの場の雰囲気を打破するために俺は、ポケットに入れていた『アレ』を思い出して、探り出した。
「先生?」
「今日も頑張ったね。ご褒美」
俺の言葉に弾かれたように両手を差し出して、それを待つ。彼女の掌に持っていた飴を落とした。
「わ、わわわわ…!」
掌に転がった飴だけではなくチョコレートもだった。勢い余って、手から零れ落ちそうになった飴を茜ちゃんは何とかキャッチした。
「これ…」
目を丸めて、手の中に納まった飴やチョコレートを見つめている。
「時間内には問題が終わらなかったけど、頑張ってたからご褒美だよ」
一応、この場を取り繕う言葉を並べるけど……やばかった…。