「数学の問題を解いているはずが、国語の勉強までさせるとはね。敵ながら天晴れだわ」
ポツリと独り言を言って、何度も読み直していく。
正直言って、小学生レベルの文章問題もかなり苦手。
だって『雨の中、時速60㎞で走る車が2時間35分で目的地に到着しました。車はどれだけ走りましたか?』って言う問題を正解するのに、かなりの時間を費やしてしまう。
「……せ、せんせ~?」
「……ギブ? 一番最短じゃない?」
「だって、わかんないですぅ~…」
泣きそうになりながら、先生に泣きついて問題のヒントを出してもらう事となった。
けど、この瞬間が一番好き。
グッと教科書に近づいて、例題を使って色を使い分けて説明をする先生との距離が近くてほっぺにキスできそう…。