そんなに大笑いする所だろうか? そんな事を思い出しながら、ポツリと一言。
「葵君は相変わらず美少女君だね~…」
「先生…。それ、葵に言わない方がいいですよ~」
茜ちゃんの意味深な言い方に引っかかって、彼女の方を振り返る。ちょっと、呆れ気味の顔で葵君が入っていった玄関を見つめていた。
「何かあんの?」
純粋なる好奇心で尋ねたんだけど、茜ちゃんの表情はなんとも言えないぐらい眉を潜めて、口を何度も開いたり閉じたり…。
眉間には2本のシワが…。
「実は…」
ようやく茜ちゃんが喋り出そうとした瞬間、俺の背筋に冷や汗のようなものを感じる。
こ、これはやばい…。
これ以上聞いたら、自分の身が危ない!
「ッいや、いいや。何か葵君の事だから嫌な予感しちゃった!!」
いやいやマジで!
美しいバラには棘があるっていうじゃん!? 近づいたら大変な事になりそうだもんな~。