今日も授業が終わって、家を出ようとすると茜ちゃんのお母さんに呼び止められて大好物の煮物が入ったタッパーを手渡された。
ラッキー。俺、この煮物好きなんだよね~。
そう言うと、茜ちゃんは驚いて目を丸めて俺を見上げていた。
…オイオイ…頼むからそんな目を大きくして、こっち見ないでくれよぅ…。襲いたくなるじゃんかよ!
「先生って、日本食が好きなの?」
「日本食だけって訳じゃないよ。洋食だって好きだけど、どちらかって言えば和食が好きな方かな」
もともと、家では和食が中心で高校生の時は学校や友達と遊びに行った時は洋食とか、ファーストフードとか散々行ってたから最近ではまた、和食にはまってる。
だから、茜ちゃんのお母さんが作ってくれる煮物は、超ありがたい。
「ふぅ~ん。あ、葵。お帰り~」
玄関先で話していると、茜ちゃんの弟、葵君が帰ってきた。
喧嘩したのか、何なのかわからないけど頬に引っかき傷がついていた。
「ただいま」
チラッと、俺を見た葵君は俺の気持ちを知っているから、呆れた顔になっている。
相変わらず美少女君だ。
これを言ってみたら、茜ちゃんは大笑いして「ピッタリ~!!」と言っていた。