今更ながら、引き受けた事を後悔する俺は、ようやく集中し出した茜ちゃんをちらりと確認した。
確認した瞬間、確認しなきゃよかったって後悔してる。
何でキャミソール一枚かな…。
襲ってくださいって言ってるようなものだぞ~…。
溜め息を吐きながら、視線を逸らして紛らわそうとするけど…無駄な努力で…。
チラチラと視線は、茜ちゃんの方へ…。
無駄な努力と言うか…、変態への道へまっしぐらになりそうだ。
「せんせー。…分かんないからここ、教えてー」
あぁ…。その可愛い笑顔が俺の脳内に侵略するからやめてくれ~ェ!!
「…どこ?」
あんまり進んでない茜ちゃんの問題に「やっぱり…」って思ったけど、これでも進んでいる方なんだよな…。
国語と英語以外が全般的に苦手な茜ちゃんは、数学と化学の計算が嫌いみたいだ。
化学はどちらかと言えば科学記号を覚えないと話にならないからな…。
根気よく教えているけど、目を見張るほど成長はないけれども…一生懸命、覚えようとしているのが分かる。
それがまた、保護欲をそそるんだよな…。