お腹すいたし、先に食べちゃおうかな。

そう思ってお弁当のふたを開けたときだった。



「――――千秋!いる!?」



ものすごい大声が、私を呼んだ。

声のした方を見れば、有紗がなにやら興奮した様子で教室の扉からこちらをのぞいている。



「どうしたの?」



お弁当のふたを締め直して有紗の方へ近づくと、いきなりぐいっと腕を引かれた。



「とにかく体育館行こ!面白いことが始まりそうなの!!」


「体育館……?有紗、私お腹すいたんだけど食べてからじゃダメなの?」


「ダメっ!恩ちゃんが千秋のために頑張ってくれるんだから!」



恩田先生……?

私のため……?


全く状況が飲み込めないまま、私は体育館へと無理矢理引っ張られていく。