――太陽の日差しが強く感じられるようになった、6月の最初の土曜日。


絶好のスポーツ大会日和と言える雲ひとつない青空の下、私はグラウンドの端から端まで走り回っていた。



「みんな、次ドッヂボールだから忘れないでね!」


「んもー、負けたら終わりじゃなくて三位決定戦があるって言ったのに……男子めー!」


「いけない、そろそろ放送当番だ!!」



自分が出場するのはリレーだけだから、それまでは暇だと思っていた私が甘かった。

実行委員の様々な仕事をこなしながらクラスの動きにも気を配るのは意外に大変で、ようやく一息つけるお昼休憩の時にはくたくたで教室に戻った。


自販機で買ったお茶を一気に半分くらい飲み干し、ぷは、と小さく息を吐いて教室を見渡す。


有紗、まだ来てないなぁ。

お弁当一緒に食べようと思ってるのに。