それから数日、今度はスポ大のことで先生に相談があったから、私は放課後また先生の元へ行った。
「先生、昨日の実行委員会でそろそろ各競技ごとの選手名簿を出すように言われたんですけど、うちのクラスでは一部の競技に人気が集中しちゃって……
どうやって調整したらいいか相談したくて」
「そうか……ごめん、とりあえず明日でもいい?」
「あ……はい。今日も杉浦くんのところですか?」
「いや、今日は別の用があって」
「そうですか……」
最近の先生はなんだか、いつにも増して忙しそうだ。
今までは少しくらいのことなら予定があっても話を聞いてくれたのに。
「三枝さん」
「あ、はい」
「悪いけど、スポーツ大会の当日までしばらく放課後は空いてないんだ。何か質問や相談があれば、朝か休み時間にしてもらえる?」
「……わ、かりました」
先生は笑顔だったけど、なんだか突き放されているように感じてしまった。
でも……そんなわけないよ、恩田先生だもん。
きっとただ、忙しいだけ。
私はそうやって、自分を納得させた。