「はっ!」
目覚めると生温い水があって、身体が小刻みに震えていた。急いで身体を温め、洗い、風呂掃除をしてから出てくる。
まだ四時を回った程度の時刻で、誰も起きてはいなかった。
俺は自分の部屋に戻り、ベットに仰向けになりながら、先ほど見た夢について整理していた。
救急車を呼んだ男性は、妻が倒れたと言っていた。そして、その声、音と共に距離は少し離れているようで、身近に体験しているというよりは、客観的に見ているといった方が当てはまる。この夢はいったい何を意味しているのだろうか。
俺はふと、調べようとしていたノンレム睡眠のことについて思い出した。ただ、調べる気にはなれなかった。今の夢は、誰かが危ないというような警告な気がして、続きを知らなければならないと直感的に感じたのだ。
「逃げんな」
自分にそう言い聞かせて、皆が起きるまで携帯ゲームをして時間を潰すことにした。
六時頃になると、母さんが起きてきて、朝食を作り始めたようだった。
携帯ゲームにも飽きた俺は、やることもなく、何となくそれを手伝うことにした。
「あ、羚弥。おはよー、って今日は早すぎるんじゃなーい?」
さすがにこの時間に起きてるのは驚くかと思いながら、挨拶を返した。
「たまにはこういう時もあるさ。それより、何か手伝うことない?」
「めっずらしーい。頭でも打ったー?」
「打ってないわ! たまにはこういうのもいいだろー!」
「フフ、じゃあマヨネーズとハム出してー」
今日の朝食はレタスサンドのようで、作り方を知っていた俺は、メインの作業も手伝った。そのおかげか比較的早く終わり、母さんは「助かったわー」と言って、由梨が起きるまでに洗濯なども済ませようと、次の仕事に移った。
そのしばらく後で由梨も起きてきて、それを食べることになった。
「いただきまーす」
母さんのそれに合わせて俺と由梨も食べ始める。
俺は早速、由梨に昨日の件について謝ることにした。
「由梨、昨日はごめんな。なんか心配かけたかもしれない」
「ああ、ううん。びっくりしたし、心配もしたけど、もう羚弥君がここにいるから気にしてないよ」
由梨は笑っていたけど、本当はまだ心配しているように見えた。
「そういえば羚弥君、これは予想だけどさ、昔のこと覚えてなかったりする?」
突然来た突拍子な質問に、そういえば由梨には記憶喪失の話してなかったけな、と思いながらさらっと答えた。
「ああ。記憶喪失なんだ。母さんに引き取ってもらってるのもそういうわけ」
「なるほどね」
「ま、今が楽しいし、過去のことなんて気にしないことにしてるよ」
母さんには分かる、あからさまな嘘を由梨について、彼女を心配させないようにと気遣った。
今までいろいろあった由梨には羽を伸ばせてやりたいという思いが少しだけあったのだ。
ピーンポーン
そんなやり取りをしている時、インターホンが鳴った。
「はーい」
「ごちそうさま」
母さんが出て行くのを見て、またテレビ局かなと思いながら、俺は皿を片付けにいった。
目覚めると生温い水があって、身体が小刻みに震えていた。急いで身体を温め、洗い、風呂掃除をしてから出てくる。
まだ四時を回った程度の時刻で、誰も起きてはいなかった。
俺は自分の部屋に戻り、ベットに仰向けになりながら、先ほど見た夢について整理していた。
救急車を呼んだ男性は、妻が倒れたと言っていた。そして、その声、音と共に距離は少し離れているようで、身近に体験しているというよりは、客観的に見ているといった方が当てはまる。この夢はいったい何を意味しているのだろうか。
俺はふと、調べようとしていたノンレム睡眠のことについて思い出した。ただ、調べる気にはなれなかった。今の夢は、誰かが危ないというような警告な気がして、続きを知らなければならないと直感的に感じたのだ。
「逃げんな」
自分にそう言い聞かせて、皆が起きるまで携帯ゲームをして時間を潰すことにした。
六時頃になると、母さんが起きてきて、朝食を作り始めたようだった。
携帯ゲームにも飽きた俺は、やることもなく、何となくそれを手伝うことにした。
「あ、羚弥。おはよー、って今日は早すぎるんじゃなーい?」
さすがにこの時間に起きてるのは驚くかと思いながら、挨拶を返した。
「たまにはこういう時もあるさ。それより、何か手伝うことない?」
「めっずらしーい。頭でも打ったー?」
「打ってないわ! たまにはこういうのもいいだろー!」
「フフ、じゃあマヨネーズとハム出してー」
今日の朝食はレタスサンドのようで、作り方を知っていた俺は、メインの作業も手伝った。そのおかげか比較的早く終わり、母さんは「助かったわー」と言って、由梨が起きるまでに洗濯なども済ませようと、次の仕事に移った。
そのしばらく後で由梨も起きてきて、それを食べることになった。
「いただきまーす」
母さんのそれに合わせて俺と由梨も食べ始める。
俺は早速、由梨に昨日の件について謝ることにした。
「由梨、昨日はごめんな。なんか心配かけたかもしれない」
「ああ、ううん。びっくりしたし、心配もしたけど、もう羚弥君がここにいるから気にしてないよ」
由梨は笑っていたけど、本当はまだ心配しているように見えた。
「そういえば羚弥君、これは予想だけどさ、昔のこと覚えてなかったりする?」
突然来た突拍子な質問に、そういえば由梨には記憶喪失の話してなかったけな、と思いながらさらっと答えた。
「ああ。記憶喪失なんだ。母さんに引き取ってもらってるのもそういうわけ」
「なるほどね」
「ま、今が楽しいし、過去のことなんて気にしないことにしてるよ」
母さんには分かる、あからさまな嘘を由梨について、彼女を心配させないようにと気遣った。
今までいろいろあった由梨には羽を伸ばせてやりたいという思いが少しだけあったのだ。
ピーンポーン
そんなやり取りをしている時、インターホンが鳴った。
「はーい」
「ごちそうさま」
母さんが出て行くのを見て、またテレビ局かなと思いながら、俺は皿を片付けにいった。