キーンコーンカーンコーン




私たちは一時間目をサボり
ずっと屋上にいた。


なんだか落ち着いた。
久しぶりにこんなに泣いたな。


「落ち着いたか?」

ハルが尋ねてきた。


「うん!」


よし!頑張る。負けてなんかいられないんだから!



するとハルは私のほっぺたに
触れた。


「雨音が笑ってんの初めてみた。」


ハルは私の目を見つめてきた。


「そう…かな…?」


ハルを見上げた。

「その上目遣い禁止。笑」


ハルはそう言いながら
唇を重ねた。




唇が離れるとなぜか
私は笑っていた。

自分でもよく分からないけど

心に覆っていた黒いものが
消えてスッキリした。



ハルも笑っていた。

優しい笑顔で。


「ハル!二時間目、始まっちゃうから、教室戻るよ!」



「おう!」





今日から私、










強くなります。


私とハルは教室に戻り

何事も無かったかのように

席に着いた。


相変わらず、いや、

さっきよりも増して

クラスからの視線が鋭くなっている気がするんだけど…。





すると担任の小口がやって来た。


「おいおい、一時間目サボりやがって。」



「すいません」

そう言うしかできなかった。


「罰として、山口と久保田。放課後に廊下掃除してけよ!」




え-。なんでよ。(泣)



しかもなんでハルはやんなくていいの。

「なんでハルはやんなくていいんですか-?」


と小口に聞くと、


「栗原君は、昨日転校してきたばっかでしょ?今回は多目に見てあげるけど、次からは廊下掃除ってこと!」



「えー。そんなのズルイよ(泣)」



「サボった君たちが悪いでしょうが。笑」


先生の鬼畜!ばかー。
う-。今日はほんと、ついてないな〜。







ハルは隣でニコニコして、


「どんまい笑」


と言った。

ちぇっ。まあ、こういう日もあるか。


「掃除が終わるまで待っててやるからさ」


ハルのその一言がなんだか嬉しかった。



「うん…ありがと」



ー放課後ー


しょうがないから、掃除しなきゃ。

でも、確か久保田さんも罰として掃除だった気が…


教室を見渡すとちょうど
久保田さんがバックを持って教室を出ていこうとしていた。



「あっ、久保田さん!」

走って追いかけると

「何?」
久保田さんが振り返った。




「あ、あの…確か久保田さん掃除は?」




「…」

久保田さんは無視して去っていこうとする。




えっちょ、まってよ〜(泣)


私は久保田さんの手を掴んでた。

「ぁ、あの。1人でやるより2人でやったほうが早く終わるじゃん?ね?また怒られるより今のうちにやっちゃわない?」



久保田さんは嫌そうな顔して

「ちっ」と舌打ちをした。

そして
「さっさと、終わらせるよ。」

と久保田さんはホウキを手に持った。