僕は生きて帰って来た。

銃創は残るだろうけど、

別段障害も起こらない。

一応入院しているけど、

明日には帰れる。



なのに、


1度も花音を見ていない。


上杉も明らかに何かを誤魔化している。



「なぁ、上杉。花音は…?」



嫌な予感がする。


心臓が早鐘を打つ。


上杉はギュッと拳を握り、


決意を決めた様に顔を上げて僕を見た。



「花音は…」



どうして神様は、




「行方不明なんだ…昨日の、外に出られたときから。」




どうして、神様は、


あの娘を追い詰めるんだろう。