私は行くあてもなく、


フラフラフラフラ、


歩いていた。



…事件から1日が過ぎた。

私は今、行方不明なはずだ。


生きて帰って来たのに、

悠樹君が撃たれたあの場面が頭から離れない。





「生きて、帰ろう。」





あの時のあの言葉は、嘘なんかじゃなかったけど、


不安につぶされそうで、

怖くて、


辛くて、


休む事なく歩き続けた。


「どうして、私はこんなにも、弱いのかな…?」


どうして、


強くなれないんだろう。


どうしていつも、


逃げてしまうんだろう。


「ねぇ…、お父さん、お母さん…会いたいな…」


会いたいよ。


できるなら、


幸せに、


平凡に、


暖かい幻の中で、



生きていたかったよ…