事後処理は、全部お祖父さまがやった。
私があのマンションから出て来たとき、父様と母様に迎えられているのを、
お祖父さまは遠くから見つめていた。
ちょっと嬉しそうに、ほほ笑んで。
“狂い金”は銃刀法違反の現行犯で捕まり、神楽は自首をした。
神楽はパトカーに乗る前に、こう言った。
『―私は後悔していないよ、こうなったこと。
なぜならね、君達に出会ってわかった事があったんです。
現実は、そうそう捨てたもんじゃないってね。
私は…オレは、もう少し、生きてぇなって、思うんだ。
この、現実世界でさ。
だから、譲達には悪いけど、オレは…こうなって、後悔してねぇ。
ありがとう。―』
花音は、そんな神楽にむかって、ほほ笑んで言った。
「それで、いいと思いますよ。」
いいわけないだろう。
馬鹿じゃねぇの?