「めぐは旦那のとこ。いろいろ手を回させるつもりらしいよ。アタシがたまたまめぐの留守中に部屋にいたから、身代わりについて来ちゃったってわけ。」
『―どうりで、聞き分けのいいご婦人だと思った。―』
「めぐはもともと年増なんだよ。本人が拉致られてもアタシと対応は変わらないと思うよ?」
「ハハッ…確かに、そうかも。」
僕はホッとしたのと、痛いのと、しんどいのとで、笑い泣きした。
花音は僕の手を握ってほほ笑んでいる。
「約束。守ってくれて、ありがとう。」
「した約束は守るよ。」
「それでも、悠樹君がここにいる事が嬉しいの。」
♪~♪
「あ、あたしのだ。もしもし?“狂い金”捕まった?…うん。上出来。また後でよろしく。あとこっちに救急車お願い。1人撃たれてんだ。うん。それじゃ。」
「“狂い金”は?」
「捕まった。現行犯だからね。逃げらんないし。」
……………
そうして、
僕らの1日は
あっさりと、
過ぎた。