…―チク…チク…
モノを縫い合わせるのに、ここまでピッタリくる擬態語はないだろう。
自分で体感して初めてそう感じた。
「…っ、はぁ、はぁ…」
「もうちょっと、頑張って。」
「力抜け。よけい痛くなるぞ。」
『―あと3針ぐらいだから、動くなよ。―』
3…
2、
1…
―パチン!―
『―縫合終了。あとは怪我の痕からくる熱と貧血かな。診たところ致死量の5分の2ぐらいしか出てないから、多分大丈夫だ。―』
「刑事が手を回して“狂い金”を逮捕するそうですよ。とりあえず、銃刀法違反で。」
「君達には驚くよ。ついさっき狙撃を受けた高校生とは思えない冷静さだね。」
「紅さんも、こういう場合になれているんですね。」
「仕事柄…ね。慣れちゃって。アメリカで刑事やってたから。」
「紅…さん、愛さん、は?」
そういえば本物の愛さんはどこにいるんだ?