熱い…
肩からの出血が止まらないのが自分でもわかる。
このままじゃ
僕は
死ぬ。
それは絶対あってはならないこと。
約束を守るために…―。
『―麻酔も何もないけど、我慢してくれ。…ホントにうまく避けてるねぇ。縫うだけで大丈夫そうだ。―』
輸血があったらなおいいんだが、贅沢も言ってられないな。
神楽はそう言って、手術用の針と糸を取り出し、ゴム手袋をはめた。
直人が僕の服をはいで身体を押さえた。
花音は震える手で僕の手を握った。
友香は外と連絡を取り、何とかここから出られるように手はずを整えようと努力している。
そうして、治療は始まった。