『―千代もまた、先代と妾の間に生まれた子。
私ともまた別の母親だ。
先代は好色でね。
相楽もあまり好いていなかった。
もちろん。私も。
妾の子は本妻の子として育てられた。
表向きは、私も千代も後継者。
だけど実際は、
私達など論外な存在だった。
蔑みの中で、
母達は自殺した。
だから、
証明したかった。
いや、
意地を張りたかったんだ。
母様は、
血筋とか、
そんなくだらないモノのせいで、
死んだんじゃないんだって。
でも、千代の方は、
狂っていった。
母が死んだから、
千代が母の分まで中傷を受けたから。