あたしは優翔くんから金魚をもらった。

2匹の金魚を左手にぶら下げて回りを見渡す。


もうそろそろ、栞里と太陽くんが来ても良い頃なのになぁ〜…。



「凛菜ー!」


この声は…


「栞里!遅かったね!」


栞里は黒の大人っぽい浴衣に身を包み、少し怒ってる様だった。

その栞里の横で荷物持ちをさせられてる太陽くん。


「遅かったじゃないわよー!探したんだからー」

「あはは…ごめんね」


金魚片手に何も文句は言えないよね…。


「でもまっ、パッといこうよ」


栞里が今にも弾けそうな笑顔であたしに言う。