ミッション2【食べ方】



「いただきます」


今日のメニューは
なんと好都合にフォークとナイフの
ステーキ。


とりあえず、私は
涼太の一挙手一投足を見た。


ナイフとフォークとの持ち方
口にいれる大きさ
咀嚼の仕方
食べるスピード

全てが完璧だった…


食べ散らかしだってないし、

嫌いなものもない。



私は大きなため息をついた。


「香織美味しくない?」


「ううん!おいしい!」


「何かあったの?」



ミッション2もだめだった。
そんな一筋縄にはいかないか。



「ねぇ、香織聞いてる?」


「え!あ、ごめん!何だっけ」


「明日出かけようか、っていう話。」


「あ、いいよ、私も休みだし」


「よかった、じゃあ決定」



出かける…



…出かける!



私は急に立ち上がった。



「え!じゃあ私いきたいところがある!」


「え、ま、まあいいけど、それって明日じゃなきゃダメかな?」