そして少年は先程と同じように正面から突っ込む


スピードは変わらないが、狙いは正確


追尾弾のように確実に剣先が吸血鬼の心臓を捕らえている


吸血鬼も身の危険を感じたのか、爪を主とした攻撃から特殊能力、炎を使用した攻撃に転換

荒れ狂う炎が少年を襲う


「あかん!!!
避け!!!!」


私の掛け声を届かなかったのか、無視したのかはわからないが少年は軌道を変えず、避けるどころか更に勢いよく炎につっこむ


焼死してまう!!!!



私がたまらず、戦いに足を踏み出そうとした瞬間、更に信じられないことがおきた



少年が、剣で、炎を【切った】のだ


「は……………???」


すると炎は何事もなかったかのように、チリも残さず、跡形もなく【消滅した】



「うそ、やん。
そんなん、聞いたことない!!!」


そして少年は炎の纏いがなくない、無防備になった吸血鬼にとどめの一撃を寸分違わず心臓に向けて放った


断末魔



そして吸血鬼は銀製でもなんでもない、【ただの黒い剣】で消滅した