「何気に黒塔に来て初戦だし…。
身体が動くといいけど…。」


は………初戦!???
こいつ、命捨てるつもりなんか!!?


うちの心配も構わず、少年は頼りない武器のくせに正面から吸血鬼に向かって突っ込んだ


遅い…!!!


案の定、吸血鬼には楽にかわされる


外見ももやしっぽいし、どうみても筋力系には見えないし、ならばスピードが早いのかと思うがこれも的外れ

狙いも正確じゃない
瞬発力も皆無
敵の爪避け切れてないやん!!!


なんや、この劣等生は…!!!!


近くに駆け寄ってきた先生がうちの身体を起こし、無理矢理安全圏まで連れていかれる


「先生!?
なにやっとるんや!!
うちの手を離して戦わせてくれるか、あんたが助けにいかなあかんやろ!?
どう見ても無防戦やん!!」