カインは優しいしいい子なんだけど…
私がこんな顔をしている理由くらい、すぐ気づくと思うんだけどなぁ。
私は半ば呆れながら、話題を変えていく。
「…もう、いいよ。…そういえば今度、緊急の集会があるよね?何するんだろうね。」
集会と言うのは、天界の中にある天使の王が住む城で開かれる、母ユリアナを含む7人の大天使と王が話合う場である。
「ああ、滅多に開かれないのにな。なんか重要なことについて話すんだろ?
ーーーーーそれが何かは、知らないけど。」
カインも知らないのか。じゃあ知らせが入るまで待つしかないな。
「そっか…。あれ?でも…テラン様は何か話してないの?」
カインは眉をひそめながら首を横にふった。
「いいや、何も。父さんは何も教えてくれない。何か知ってる風ではあったけどな。」