私は生まれつき、羽根が無い。 私は落ちこぼれなんだ。 そう思っては泣いていた。 今は、諦めがついている。 ふぅ、と息をついて、草の上から私は立ち上がった。 さらさらと、草原の草が揺れている。私はその中を歩きながら、空を飛び回る天使たちを見上げていた。 「おーい!ルノアー!」 遠くから呼ぶ声が聞こえて、私は立ち止まった。 「…カイン。」 よく知った幼なじみの顔に、ほっとするように笑った。