教室に行くと、すでに誰かいる。

「あれ、信哉?」

その背中に声をかけると。
案の定。よく知った顔が振り向いた。

「おー真子。オス」

片手を軽く上げてはにかむ。
こういうことホント昔のままだ。

「今来たの?」

「そう^^」

「遅刻魔ー(笑)」

そういうやりとりをしてたら、肩あたりから
姫香がぴょこっと顔をのぞかせる。

「信くんだー。やほー^^」

と、いつもの調子で言っている。
・・・ハズなのに…
どうしてかイヤに明るく聞こえてしまう。
勝手な思い込みはわかってる…

デモ イヤ


「姫香!早くいこ?」

少し強めの口調。でも笑顔で姫香に言う。

「う…うん?」

姫香もおずおずと返事をする。

「じゃ、信哉。またねー」

「おう」

鈍い男。こんな空気なのに何も気づいていないのか?

「信くんまたね!」

姫香が信哉に向かい言った。

ムネガ イタイ マルデ ササレテルミタイ

「姫香ー!」

私はさっきより強めに言う。

「う…うん。」

さっきより暗めの返事。

すこし優越感に浸っている自分は醜いと思う。

そう。私は信哉が好き。

でも信哉は姫香が好き。姫香も信哉が好き。

幼馴染3人いつも一緒だったのに。

どうして私だけ報われないの?

そんなのイヤ。

そうだよね。自分の居場所は・・・

ジブンデ マモル