(※これ以降は「」を大輔 『』を咲空とします。)

「おまたせ。行こうか?」

『うん!』

「車、回してくるからちょっと待ってって。」

『わかった』

すぐに黒のボクシィーが私の目の前に到着した。

「お待たせ。」

『どこに乗ったらいいの?』

「全く何聞いてんだか。彼女なんだから隣で当たり前でしょ。」

『ありがとう・・・。』

大輔は、私が乗り、シートベルトをするのを待って静かに車を走らせた。

「咲空、買い物終わったらさ、俺行きたいとこあるんだけど行っていい?」

『行きたいとこ?よくわかんないけどいいよ。』

「ありがとう。」

しばらくして、車はショッピングモールへと着いた。

車を降りると大輔が手を差し出してきた。

『ん?』

「手・・・繋ぎたい。」

『大輔かわいいー。もちろんいいよ。』

私は大輔の手をぎゅっと握った。

大輔は私の手を握り、歩き出した。

『かわいいー。このぬいぐるみかわいくない?』

「あぁ。咲空、これ欲しいのか?」

『うん』

「買ってやるよ」

『ありがとう。大輔』

「かわいい、彼女のためだよ。そろそろ、お昼だけどどっか入るか?」

『うん』

「何か食べたいものあるか?」

『久しぶりにマックが食べたいんだけど、だめかな?』

「今日だけ特別だぞ。本当は、油っこいからだめなんだから、他の先生には黙ってろよ?」

『わかってるよ。ありがとう。』

こうして、私と大輔はショッピングモールのフードコートへと向かった。

『おいしかったね?大輔、ありがとう。』

「いいよ。そろそろ時間だから、病院戻るか?」

『そっか。いやだな~。けど、仕方ないよね?』

「咲空?俺も正直咲空のこと、病院へ戻したくないよ。けどな、俺は彼氏でもあるけどそれ以前に担当医でもあるんだ。咲空のことは好きだし、愛してるけども、医者としては我慢して病院に戻って、また治療を受けてもらうしかないんだ。ごめんな?」

『なんで、謝るの?大輔は何も悪くないよ?わかってるから病院戻ろう?』

「ありがとう。そうだな。」

私は、大輔の手を力強くギュッと握った。