部屋にはピアノだけの伴奏が ゆったりと流れていた コーヒーを目の前に置いてくれて それを冷ましながら飲む 『暖まった?』 カウンターにコーヒーを置きながら 柔らかい声で喋りかけてくる 私はそれに軽く頷き 想司君が喋り出すのを待った 生活感がない部屋だけど 大まかなものは揃っている 黒と白でまとめられていて なんか、寂しい感じがする 幸い電気の色が暖かいオレンジ色で 部屋の空気を少し明るくさせていた